事由
                       小松亮一


和幸が昭を追い抜いたので、幸生は驚いた。思わず声を上げそうになって、由木に手
で口を遮られた。「ライター」は再び元の静けさに戻っている。由木も体の震えを押
さえようと必死になって全身に力を入れていた。藤堂さんがこの光景を目の当たりに
していたら、なんと二人に声をかけたことだろう。昭が椎名委員長のことを忘れたこ
とは一日としてなかった。あの日の婦人の形相や考ちゃんの泣き顔は頭から離れるは
ずがない。だが、和幸はそんなこと何も知らない。由木は声を殺して泣いた。その翌
日、喪9#「;
 家相の吉凶は「張りと欠け」です。張りが吉で、欠けが凶となりますが、家屋全体
を平面的にみて、出っ張ってる部分を‘張り出し’といい、へこんでいる部分を‘欠
け込み’といいます。張りは、その方位に働く十干・十二支・方位の九星エネルギー
が充実して、満ち足りている状態です。欠けは、その方位に働く十干・十二支・方位
の九星エネルギーが欠乏している状態です。そのため、張りは住む人の運勢の強化を
暗示する吉相となり、欠けは住む人の運勢の悪化を暗示する凶相となるのです。
 そら、やっぱりどきっとせなあかんやろ。こまっちゃんのはふたりでおなにーしと
るのとおんなじやで。それやったら、はじめからひとりでしとったほうがええ。えっ
ちとかせんでもふたりでどっかにおるだけで、わくわくしてくるほうがたのしいや
ろ。みつからんのやったら、みつかるまでだれともしたらあかん。でも、それはおれ
がたまたまうまくいっとるから、いえるだけかもしれやんな。もうすぐあれから一年
か。
 人身事故を起こした。あるときを境に加速し始めた。これから、何人巻き込むか。
そうやって、やらないといっていたことをたくさんしたのだ。





















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