小松亮一の おすすめBOX 

連載第15回・執着することで生まれるもの 2
 



 こんなことをやり続けて一体何になるんだろう。こんなことにどんな意味があると
いうのだろう。ある一定のことをやり続けているとふとこんな疑問が頭をよぎる。執
着というものは、そういった疑問さえも浮かばない。なぜならば、執着しているから
だ。そんな疑問が浮かんだなら、執着することなど出来ない。もっと、他の可能性に
目を向けようとするからだ。
 何かに執着して、何かを発見した、あるいは何かを発明した、というような誰にで
も分かる成果ではなく、たとえ目に見えるような利益をもたらさなくても、執着する
ことそのものに、なんらかの付加価値が存在するのではないかと、僕は疑問を投げか
けているのだ。
 果たして、僕の生きてきた中で執着を全くしていないことなど、あったのだろう
か。飽きっぽい僕はあまり人に比べると何に対しても、あっさりしていた。だが、そ
れなりにゲームに熱中したりだとか、好きな女の子を思ったりとか、一定の執着心は
あったように思える。
 だが、それらが自分で執着と言えるようなレベルであったのかと言われるとそうで
はないと思ってしまう。執着というものが一体どこからが執着なのかと言われると難
しいと思うが、僕が思うに執着心というものは、明らかに別のものを選択した方が有
益であるのに、なぜか違うものを選んでしまう、他人からいくら論理的な説得を受け
ても、納得しようとしない時に、外から執着心を推し量ることができるのではないか
と思った。
 しかし、人である以上、そういったことは多々ある。執着することがどんなことか
を推し量るのは難しいが、おそらくそれらが一次的な感情ではなく、長時間にわたっ
てこだわり続けるとだんだんと執着と呼べるものになるのではないかと考えられる。
 そう考えたときに僕が執着していたことがあるのかと問われて、あると答えられる
かといえば、はっきりとうなずけなくなる。だからといって、僕はこれから執着しな
ければならないと思っているわけでない。執着するぞ、と思って物事に執着すること
などありえないからだ。ただ、何か我を忘れて一つのことに打ち込みたいなという感
情はある。
 執着する。なんだかその言葉が突然僕の中で、化学変化を起こしたような気分に
なって、色々考えてみた。


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