小松亮一のコラムBOX 02'1月

 
性的満足が持続するアフタープレーといっても、決して特別なものではないし、特別
な仕草をやろうとすることは、かえってマイナスに作用する。ごく自然なふるまいを
行なえばよいわけである。
 1 男性が、ごく軽い接吻を女性の顔のどこかに与
   える。
 2 強く抱擁し合い、お互いにディープキスの交換
   をしあう。
 3 首すじ、肩、乳房などに軽い接吻の交換をしあ
   う。
 4 顔、首すじ、まぶた、耳たぶ、乳房などへ軽い
   手首による愛撫をくり返す。
 5 抱擁している腕を利用して、相手の背すじ、背
   中、腰周辺、臀部などに軽い摩擦刺激をくり返
   す。
 6 愛情の極限として’愛コウ’という表現もある。
   3などの部位に強い接吻を行ない、、その印を
   残す。
 7 体位によっては、腹部や脇腹に接吻を与えるこ
   とも行なう。
 8 7と同じように大腿部、下肢に対して、これを行
   なう。
 9 手指を握り合ったまま、眠りに入る。
10 静かに跡始末をしあうのも、後戯の一つに入れ
   る。
 などが大まかなる後戯の方法である。後戯としてはさらに色々な場合も考えられる
が、要は「無言で、静止していて、それでいて、どのような言葉よりも、どれほどの
動きよりも、もっとも強烈に二人の信頼感を意識させる」-こういう愛撫であっても
よいのである。
 (中略)いずれにしても後戯とはセックスのしめくくりとして、「妻の身体をひき
よせる夫のもう一つの愛の行為が、妻を最上の満足感にひたらせ、そして完全な満足
をもって性のいとなみは終幕となる」のである。

 「写真と絵で見る愛撫と性技」 後戯としての愛撫
      松窪耕平 著  有紀書房 刊  1968



本では写真と絵にて、分かりやすく述べられているが、コラムBOXは趣旨が異なるの
で、掲載しない。
 文を見ると、後戯は男が女性に対して、働きかけることが前提になっていると考え
られる。2、3、9、10
は女性も何かしらの助力を必要とするが、まず男性が行なうことで、女性がそれに反
応して行為が成立すると考えられる。
 これは性行為の最中で男性が誘導すべきか、女性が誘導すべきか、という問題とは
微妙に異なる。性行為に対して、男性が積極的になるか、女性が積極的になるか、は
時代的な背景や文化的な要因に加えて、二人の関係が大きく左右するような気がする
のだが、こと後戯に関しては前述した文章に忠実であるような気がする。
 男性の絶頂感は急速に冷めるので、行為の後の愛撫は必ずしも、必要ではない。だ
が、女性は緩やかに下がっていくので、そこに男性との差異が生まれる。その差異を
埋めるために必要なものが後戯であり、男性が働きかけなければ、女性は満足を十分
に得ることができない。
 なぜならば、男性が絶頂に達することができずに、女性だけが先に達してしまった
ときに、もし女性が先に眠ってしまったとする。男性は眠っている反応のない女性に
男性器をこすりつけて、性行為を行なわなければならない。それでは楽しくも何とも
ない。
 同じように、女性は男性に最後まで面倒を見てもらいたがっているのであり、後戯
こそが互いの性による快感の差異をうめる手段だと言える。
 しかしながら、後戯は男性にとって、本来ならば苦痛なものである。絶頂に達して
しまった無力感が、身体を襲い、何かをこれから行なおうという気力を萎えさせる。
それでも、後戯がお互いにとって必要だと実感できる場合がある。それは俗にいえ
ば、お互いが愛し合っている状態であり、お互いが必要だと感じあっている時であ
る。
 そうしたとき、男女は何も知らなくとも、このような本を全く手にしたことのない
ような男女であっても、1〜10の行為を自然に行なっているのであり、その状態こそ
がお互いにとって最も幸せなことなのかもしれない。
 


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